40代女性 劣化したコンポジットレジン（CR）が原因で歯肉炎になっていた歯をe.maxクラウンで治療した症例千代田線赤坂駅徒歩2分の歯医者|赤坂クレール歯科クリニック

経年劣化したCRに触れている部分の歯ぐきには炎症が引き起こされる「歯肉炎」が見られ、出血して歯ぐきと歯の境目も不明瞭になっています。また、CRと歯との境界には段差ができていて、デンタルフロスが引っかかりやすい状態でした。

このまま放置してしまうと歯肉炎が悪化し、出血や痛みが強くなるおそれがあります。さらに神経を取った歯は強度が弱くなっているため、広範囲にわたりCR充填で修復された歯は、欠けたり割れたりするリスクもあります。

以上のことから、早急に修復治療のやり直しが必要と診断しました。

被せ物の素材は歯ぐきに接しても炎症が起きにくい「セラミック」の中でも、とくに透明感が高いガラス系セラミック「e.max」での修復治療を提案し、同意いただきました。

まずは深い部分までCRで覆われている歯と歯ぐきの境目をはっきりさせるため、周辺の歯肉を糸で抑える「歯肉圧排法」を用いて歯の形態を整えました。その後、細部まで正確に再現できる「シリコーン印象材」を用いて精密な型取りを行っています。

約1週間後、完成したe.maxセラミッククラウンが適合しているか、噛み合わせに問題がないかを確認し、被せ物がしっかり密着するように以下の前処理を行いました。

被せ物：タンパク質の除去と、接着面に細かい凹凸を形成する「エッチング処理」を行い、無水エタノールを用いた超音波洗浄
歯：タンパク質の除去と洗浄を行ったあと、歯の最外層である「エナメル質」にエッチング処理を行い、象牙質には表面に薄い膜を作る「ボンディング処理」
※エナメル質と象牙質では組織が異なるため、表面処理の方法も異なります

以上の前処理で接着強度を高めたうえで、耐久性と接着力の高い「レジンセメント」で被せ物を装着し、治療を終了しました。