30代男性 銀歯の下で再発した虫歯を除去しセラミックと歯科用プラスチックで修復した症例千代田線赤坂駅徒歩2分の歯医者|赤坂クレール歯科クリニック

パラジウムインレーは経年劣化しやすく、歯と詰め物の境目から剥がれて隙間ができるといったリスクがあります。その隙間に細菌のかたまり「プラーク」が入り込み、詰め物の下で虫歯が再発したと考えられます。

このまま放置すると、さらに虫歯が進行するおそれがあるため、早急な治療が必要と診断しました。

また、セラミックにもそれぞれの歯に適した種類があります。そこで、手前の2本には耐久性と透明感に優れたガラス系セラミック「e.max」、手前から3番目の歯には特に強度の高い「ジルコニアインレー」をおすすめしています。
併せて一番奥側の歯は、噛み合わせの面「咬合（こうごう）面」のみの小さな詰め物であっため、保険適用の歯科用プラスチックを詰める「CR（コンポジットレジン）充填」による修復を提案し、同意いただきました。

まず、麻酔を行って古いパラジウムインレーを取り除き、虫歯のみを染める薬液「う蝕検知液」を使用しながら、取り残しのないよう丁寧に虫歯を除去しました。
左上の一番奥の歯はその場でCR充填を施し、治療は終了です。

残りの3本については、歯の形を整えたあと、削った部分がしみないよう歯の神経に近い層「象牙質」を保護する薬液「コーティング剤」を塗布しました。
続いて、ぴったりと合った詰め物を作製するために、細部まで再現できて変形しにくい「シリコーン印象材」による精密な型取りを行い、削った部分に仮の詰め物を入れて初回の治療を終了しました。

約1週間後、完成したe.maxインレー2本とジルコニアインレーがぴったりと適合していることを確認し、噛み合わせを調整しています。さらに、詰め物がしっかりと密着するよう以下の前処理を施しました。

・詰め物の接着面：タンパク質を除去し、接着面を加工する「エッチング処理」を行ったあと、エタノール液を使った超音波洗浄
・接着する歯の表面：外側にある層「エナメル質」にエッチング処理を行い、象牙質の表面に薄い膜を作る「ボンディング処理」

最後に、耐久性と接着力が高い「レジンセメント」で歯と詰め物を接着し、噛み合わせに問題がないことを確認してから、すべての治療を終了しました。