2024.11.12
治療前
治療後
はじめのご相談内容 | 「長年歯科医院に行けておらず、右下の奥歯が冷たいものでしみるので診てほしい」とご相談いただきました。 |
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カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、右下の奥歯1本が歯科用プラスチックを詰める「CR(コンポジットレジン)充填」で治療されていましたが、レントゲン検査で虫歯の再発が認められました。虫歯は神経近くまで広がっていたため、冷たいものがしみる症状が出ていました。 虫歯が進行して神経に達すると、何もしなくても痛むようになる可能性や、最終的には歯を失うおそれもあるため、早急な治療が必要であると診断しました。 |
行った治療内容 | 詰めてあるCRと虫歯を取り除いて神経を温存する処置をし、しばらく様子を見て痛みが出ないか確認したあと、新しい詰め物で治療する計画を立てました。 詰め物の素材として、白い陶材「セラミック」の中でも虫歯再発のリスクが低く、特に耐久性に優れ奥歯の噛みしめにも対応できる「ジルコニア」を提案しました。さらに、噛む面を覆うように広範囲を修復する詰め物「アンレー」にすることで強度を高める方法を説明し、治療に同意いただいています。 まず、痛みを抑えるための麻酔をしてから古いCRを除去し、次に虫歯部分を染め出す薬液「う蝕検知液」を使用して丁寧に虫歯を取り除きます。 神経は温存できる状態だったため、歯の形を整え、削った部分がしみないよう神経に近い組織「象牙質」を保護するコーティングを施しました。そのあと細部まで正確に再現できる「シリコーン印象材」で精密な型取りを行い、仮詰めをして初回の治療を終了しました。 約1週間後、完成した詰め物が歯に合っているか、噛み合わせも問題ないか確認したのち、接着強度を高めるため以下の前処理を行っています。 詰め物:タンパク質を除去し、接着面を凸凹にする「エッチング処理」を行ったあと、無水エタノールを使用した超音波洗浄 詰め物を装着する歯:タンパク質の除去と洗浄をしてから、歯の一番外側の層である「エナメル質」にエッチング処理を施し、象牙質の表面に薄い膜を作る「ボンディング処理」 ※エナメル質と象牙質は組織に違いがあるため、表面処理の方法も異なります 最後に、耐久性と接着力の高い「レジンセメント」を使って詰め物を装着し、治療を終了しました。 |
治療期間 | 約1週間 |
治療回数 | 2回 |
おおよその費用 | 80,000円 |
治療のリスク | ・治療中に痛みを伴う場合があります ・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります ・装着に際し、天然歯を削る場合があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です |