2025.02.12
治療前
治療後
はじめのご相談内容 | 「20年ほど前から右上の奥歯に銀歯が入っており、中が虫歯になっていないか心配。見た目も気になるため、再治療を検討している」とご相談いただきました。 |
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カウンセリング・診断結果 | 右上の奥歯3本に保険診療の銀の詰め物「パラジウムインレー」が装着されていましたが、劣化した詰め物と歯の境目に段差ができ、汚れが溜まりやすい状態でした。 レントゲン検査の結果、大きな虫歯は確認できませんでしたが、このままだと隙間から細菌が入り込み、虫歯ができて痛みを伴う可能性があります。 以上のことから、審美性の改善を含め、詰め物を作り直す必要があると診断しました。 |
行った治療内容 | はじめに古い詰め物を除去し、虫歯が再発していないかを確認します。そのうえで詰め物を新しく作り直す治療方針を説明し、同意いただきました。 詰め物の種類として、以下の3つを提案しました。 ①セラミックインレー:強度が高く透明感のあるガラス系セラミック「e.max」や、耐久性に優れ人工ダイヤモンドとも呼ばれる「ジルコニア」などの種類がある メリット:自然な見た目を再現でき、経年劣化しにくい。汚れが付きにくいため虫歯の再発リスクの軽減が期待できる デメリット:自由診療のため比較的費用がかかる ②CAD/CAMインレー:プラスチックとセラミックを混ぜた素材の白い詰め物 メリット:保険診療内で治療できる デメリット:強度がやや低いため、破損や変色する可能性がある ③パラジウムインレー:もともと装着されている銀の詰め物 メリット:金属でできているため強度が高い デメリット:今回のように再度隙間ができるおそれがある 患者様は「自然な見た目で劣化しにくく、かつ虫歯の再発リスクが低い詰め物が良い」と、①のセラミックインレーを選ばれました。 なお今回は、ご自身の歯の色と馴染みやすいe.maxインレーを採用しています。 まず痛みを抑えるための麻酔をし、パラジウムインレー3本を取り外したところ虫歯が再発していたため、虫歯を染め出す薬液「う蝕検知液」を用いて丁寧に除去しました。 次にe.maxインレーを装着するため歯の形を整え、歯を削ったことにより露出した神経に近い部分「象牙質」がしみないよう保護するコーティングを施します。 その後、細部まで正確に再現できる「シリコーン印象材」を用いて精密な型取りを行い、仮詰めをして初回の治療を終了しました。 約1週間後、完成したe.maxインレーが隙間なく歯にフィットしているか、噛み合わせに問題がないかを確認し、接着強度を高めるため詰め物と歯の接着面に以下の前処理を行っています。 詰め物:薬液で接着面をデコボコにする「エッチング処理」を施したあと、無水エタノールを使用した超音波洗浄 詰め物を装着する歯:表面にエッチング処理を施し、接着効果のある薬液を塗布する「ボンディング処理」 最後に、耐久性と接着力の高い「レジンセメント」を使用してe.maxインレーを装着し、治療を終了しました。 |
治療期間 | 約1週間 |
治療回数 | 2回 |
おおよその費用 | 約180,000円 (e.maxインレー3本) |
治療のリスク | ・治療中に痛みを伴う場合があります ・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります ・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります ・装着に際し、天然歯を削る場合があります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です |