2026.05.21
治療前
治療中
治療後
その他
| はじめのご相談内容 | 「上前歯2本の差し歯が何度も外れるようになった。他院で都度再接着をしてもらっているが、最近は歯茎の腫れや見た目の違和感が気になるので診てほしい」と、セカンドオピニオン目的で来院いただきました。 |
|---|---|
| カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、上前歯2本には陶材の白い被せ物「セラミッククラウン」が装着されていましたが、周囲の歯茎が赤く腫れている状態でした。 歯茎の腫れは、歯と被せ物の隙間に古い接着剤が残っていたり、合わない被せ物によって刺激が加わったりして生じた「歯肉炎」が原因だと考えられます。 また、左右で見た目のバランスが乱れており、歯と歯茎の境目が一部露出していました。 このまま放置すると、以下のリスクが考えられます。 ・歯肉炎がさらに悪化して歯周病を発症する ・隙間から細菌が入って虫歯になる ・合わない被せ物が歯に負担をかけて歯が折れる 以上のことから、早急に治療をする必要があると診断しました。 |
| 行った治療内容 | 今回の場合、先に歯肉の炎症を改善させる必要があります。 そのため、まず現在装着されているセラミッククラウンを外してプラスチックの仮歯に置き換え、歯茎の状態が整ったら最終的な被せ物を製作する治療計画をお伝えしました。 また、最終的な被せ物については、以下の2つを提案しました。 ①e.maxレイヤリングクラウン ガラスを主成分とした透明感のあるセラミック「e.max」の上に、歯科技工士が手作業で陶材を重ねて自然な色調を再現した被せ物です。 メリット:金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がない。天然歯に近い透明感や色調を再現しやすい。表面がなめらかで汚れが付きにくく、歯茎への負担も少ない デメリット:自費診療のため、比較的費用がかかる。強い衝撃がかかると、欠けたり割れたりするリスクがある ②ジルコニアセラミッククラウン 高強度のセラミック「ジルコニア」の上に陶材を重ねて、自然な色調を再現した被せ物です。 メリット:こちらも金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がない。耐久性に優れている デメリット:e.maxと比較すると、審美性がやや劣る 患者様は「審美性を重視したい」とのことから、より自然な仕上がりが期待できる①の「e.maxレイヤリングクラウン」を希望されました。 まず、麻酔を行ったうえで、上前歯2本のセラミッククラウンを慎重に除去します。 続いて、歯と歯茎の間に溜まった歯石や古い接着剤を、専用の器具を用いて取り除きました。 その後、歯肉炎の治療を行ってから仮歯を装着し、見た目と機能を一時的に回復させます。 2週間後に来院いただいて診察したところ、歯肉炎の改善が確認できました。 次に、被せ物の縁と歯茎の内側のラインを正確に合わせるため、歯茎を一時的に押し広げる「歯肉圧排(しにくあっぱい)」という処置を行い、仮歯の形を微調整します。 約10日間、微調整した仮歯で過ごしていただき、3回目の治療では、見た目、噛み合わせ、歯茎の状態に問題がないことを確認しました。 その後、被せ物の精度を高めるため、歯茎を2段階で押し広げる「2重歯肉圧排」を行い、シリコーン系の型取りの材料を用いて精密な型取りを実施します。 また、周囲の歯の色調を正確に再現するため、一眼レフカメラを用いて詳細な色調記録を行い、歯科技工士への情報提供を行いました。 4回目の治療では、完成したe.maxレイヤリングクラウンを仮装着します。 周囲の歯と色調が合っているか、噛み合わせに問題はないか、隙間はないかなどをチェックし、問題がないことを確認したうえで、高性能の樹脂製の接着剤「レジン系セメント」を使用してしっかりと接着しました。 接着時には、被せ物の内面に接着力を高めるための酸処理を施し、さらに無水エタノールによる超音波洗浄を行っています。 加えて、歯にも接着剤の結合を強化する前処置を行い、接着強度を向上させました。 最後に、見た目や噛み合わせに違和感がないことを確認し、治療を終了しています。 |
| 治療期間 | 1.5ヶ月 |
| 治療回数 | 4回 |
| おおよその費用 | 約384,000円 (e.maxレイヤリングクラウン2本分・仮歯・精密印象費用等を含む) |
| 治療のリスク | ・装着に際し、天然歯を削る場合があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です |