セラミック治療というと審美的(綺麗にしたい、白くしたい)というイメージが強いですが、実はそれ以外にも非常に優れた特性を持っています。体に優しく長持ちする素材として、歯に使用する素材としては最適なものと言えるでしょう。
セラミックを用いた治療例を紹介します。
50代の男性で前歯(左の1番2番)に硬質レジン前装冠が2本入っていました。
治療前 古い被せ物は劣化し二次カリエスや歯肉炎を引き起こしている
硬質レジン前装冠とは銀歯の表面に白いプラスチック素材が張り付けてある被せ物です。
プラスチック素材や金属は長い間お口の中で唾液に触れていると、徐々に劣化してしまいます。すると色味が黄ばんでしまうだけでなく、プラークと呼ばれる細菌の集合体も付着しやすくなるのです。
このプラークが原因で被せ物と歯との境目に二次的な虫歯(二次カリエス)を生じたり、歯周病が引き起こされたりしてしまうのです。
写真でも分かる通り古い被せ物の付け根は黒くなり、周囲の歯茎も紫色に炎症を起こしています。
これらを取り外し、周囲の虫歯治療や歯周病治療を施したのちに、オールセラミッククラウンを装着しました。歯茎の炎症が落ち着いて引き締まっていることが分かります。
色味も他の歯に調和させて違和感のない自然な見た目となりました。
オールセラミッククラウン 金属を使わないため身体に優しく長持ちする
オールセラミッククラウンとは金属を使用せずセラミックのみで作製する被せ物です。
セラミックは体内に埋め込まれても生体に対して有害な作用を及ぼさず、強度や耐食性、安全性を有しているためお口の中以外にも人工関節など幅広い医療分野で使用されている素材です。
汚れやプラークも付きづらく、劣化もほとんどしないため、清潔な状態が維持できるのです。
現在「メタルフリー」といって、金属を使わずに身体に優しいセラミックを用いることが推奨されつつあります。当然のことながら金属アレルギーの心配もありません。