東京赤坂の歯医者さん、赤坂クレール歯科クリニックです。
今回のテーマは「それぞれのセラミックの特徴」です。
オールセラミック・ハイブリッドセラミック・メタルボンド・ジルコニアセラミック、
セラミックは現状これら4つの種類が存在しており、患者さんは好きなセラミックを選ぶことができます。
とはいえ、どれもセラミックという点は同じですから、それぞれの違いが分かりづらく、
そのセラミックを選べばいいのか悩んでしまう人も多いでしょう。
そこで、ここではそれぞれのセラミックの特徴について解説していきます。
まず、以下の特徴はすべての種類のセラミックに共通したものです。
・審美性が高い :自分の歯の色に合った自然な白さを再現できる
・二次虫歯になりにくい :セラミックにするとプラークが付着しにくくなり、二次虫歯を予防しやすくなる
・長持ちしやすい :保険診療の素材に比べて相対的に長持ちしやすい
他にも、「金属を使用していない」という特徴が挙げられることが多いのですが、厳密にいえばこれは違います。
セラミックの中にはメタルボンドと呼ばれるタイプがあり、メタルボンドは一部金属を使用しています。
そのため、「金属を使用していない」という特徴は、メタルボンドを除いたセラミックの共通点です。
また、上記の特徴の程度はセラミックの種類によって異なります。
たとえば、審美性の高さはすべてのセラミックにいえる特徴になるものの、美しさの程度には差があります。
名前から分かるとおり、100%セラミックでできているタイプです。
実は、セラミックの中で100%セラミックなのはオールセラミックのみであり、
他のセラミックには別の素材も混ざっています。
オールセラミックはすべてのセラミックの中で最も審美性が高く、
また耐久性などの点で機能性においても最上位に位置するとされています。
一方で費用は他のセラミックより高く、審美性・機能性が高い一方で費用も高いのが特徴です。
セラミックの微粒子にレジンを練り込んだタイプで、素材としてはセラミックとレジンの中間に当たります。
ハイブリッドセラミックの場合、レジンが混ざっていることが長所にも短所にもなっています。
長所は費用が安く設定されていることで、ハイブリッドセラミックはお手軽なセラミックとしての位置付けです。
一方、短所は年数が経過すると変色することと、他のセラミックに比べてプラークが付着しやすいことです。
ちなみに、保険診療に対応したハイブリッドセラミックは自由診療のハイブリッドセラミックとイコールではなく、
前者は後者のものに比べて審美性・耐久性などが劣ったものになります。
金属のフレームにセラミックを焼き付けたタイプで、見た目はセラミック・中身は金属という仕様です。
セラミックは金属を使用していないことから、金属アレルギーでも安心して使えるのがメリットですが、
メタルボンドはこれに該当せず、金属を使用していないのはメタルボンド以外のタイプになります。
フレームが金属であることから強度の高さが特徴であり、奥歯に使用する人が多い傾向があります。
外見がセラミックなのでもちろん充分な審美性の高さを持っているものの、
見る角度や劣化によってセラミックが剥がれた場合、中の金属が露出してしまうのが欠点です。
人工ダイヤモンドを使用したタイプで、メタルボンド同様に強度の高さが特徴です。
もっとも、審美性・機能性ともにメタルボンドを上回っており、
金属を使用しないことからジルコニアセラミックは金属アレルギーの人でも使えます。
ジルコニアセラミックは4つのセラミックの中でも比較的新しいタイプのため、
取り扱っている歯科医院は他のセラミックほど多くないかもしれません。
イメージとしては、メタルボンドの上位モデルと考えれば良いでしょう。
いかがでしたか?
最後に、セラミックの劣化についてまとめます。
1. セラミックに共通する特徴 :審美性が高い、二次虫歯になりにくい、長持ちしやすい
2. オールセラミック :審美性・機能性ともに非常に高く、セラミックの中で最上位に位置する
3. ハイブリッドセラミック :変色が起こるなどの問題があるが、費用が安くてお手軽なセラミック
4. メタルボンド :金属を使用している点で強度が高く、奥歯に使用することの多いセラミック
5. ジルコニアセラミック :人工ダイヤモンドを使用しており、メタルボンド同様に強度の高さが特徴
これらのことから、それぞれのセラミックの特徴について分かります。
4つの種類のセラミックが存在しますが、どれがおすすめなのかは患者さんの要望によって変わります。
たとえば、何より性能を重視するならオールセラミック・ジルコニアセラミックが候補になるでしょう。
一方、費用の安さを重視するならハイブリッドセラミックが最もおすすめということになります。
自分がセラミックに対して何を求めて何を求めないかを考え、その上で自分に適したセラミックを選びましょう。