本日、ノーベルバイオケア社から新たに発売されるインプラントシステムのお披露目講演が開催されましたので参加してまいりました。
この度、お披露目されたノーベルバイオケアN1システムは従来の固定概念を覆し、全く新しい発想で開発されたインプラント治療システムです。
大きく異なる点は、インプラントを埋入する前に、顎骨を削っていく工程です。
従来、どのメーカーのインプラント治療システムにおいても、骨を削る時に発生する熱が周囲の骨の細胞を破壊してしまうことを防ぐために、注水しながらドリルを使用していました。
しかし、N1システムのドリルは従来のドリルと異なり、その削合効率が非常に高いため熱が発生するような高回転で使用する必要がないのです。
低回転でゆっくりと骨を削合することで、熱が発生せず、周囲の骨細胞を破壊することを防いでくれます。
すると、従来のような発熱を防ぐための注水処理が不要になります。
治療を受ける患者様は、口の中に水が溜まる治療の苦しさが軽減されます。
さらに、注水しないで済むために、大事な骨の切削片を洗い流さず、その場にとどまらせることができるので、インプラントと骨が結合する効率がアップするのです。
治療工程もシンプルになり、骨の細胞にダメージを与えず治療を行ることで、インプラント治療の成功率、将来の生存率を上昇させることができるシステムと言えます。
この、骨の削合効率に優れたドリルは、その削合力の低下を防ぐために1回の使用で破棄する必要があります。
そのため、従来のインプラント治療に比べ、治療費用は高くなりますが、抜歯即時埋入インプラントなどの繊細な症例にはとても有効なシステムです。
今後、臨床現場では従来のインプラントシステムと、新たなN1インプラントシステムを使い分けていくことになると思います。
今後とも、医療の進歩を学びながら臨床に取り入れていきたいと思います。
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