2024.04.02
はじめのご相談内容 | 「数年前に他の歯科医院で詰めてもらった歯が、冷たいものでしみるようになった」とご相談いただきました。 |
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診断結果 | 拝見したところ、左上の奥歯(第1大臼歯/6番)の白い詰め物「CAD/CAMインレー」が噛み合わせの力に負けてひび割れており、その隙間から細菌が入り込んで虫歯が再発していました。
CAD/CAMインレーは、プラスチックにセラミックの粉末を混ぜ合わせた「ハイブリッドレジン」という材質でできており、耐久性がやや低いため割れやすいというデメリットがあります。 また患者様は食いしばりの癖があり歯に力がかかりやすいことから、強度の高い詰め物で修復する必要があると診断しました。 |
行った治療内容 | 再発した虫歯をきれいに取り除いてから、強度が高く割れにくい詰め物「ジルコニアインレー」で修復する治療を提案し、同意いただきました。 ジルコニアインレーはセラミックの一種で、表面に汚れがつきにくく虫歯の再発リスクを軽減できるメリットがあります。 まず左上の奥歯に装着されている古い詰め物を除去し、薬液で染め出した虫歯を丁寧に取り除いてから、削った部分を保護するコーティング剤を塗布します。 加えて粘土のような材料「シリコーン印象材」を使用して歯の形を記録する従来の型取りも併用し、詰め物がより歯にフィットした仕上がりになるよう努めています。 型取りから1週間後、完成したジルコニアインレーを消毒し、菌が極めて少ない状態にしてから装着しました。 詰め物を装着する際は、歯の接着面を加工して細かいデコボコを形成する「エッチング処理」を行い、また接着剤を塗布する前に水気を十分に取り除くことで、接着強度を高め外れにくくなるよう工夫し治療を終了しています。 |
術後の経過・現在の様子 | 噛み合わせの違和感や治療部位の痛みもなく、経過は良好です。
患者様からは「強度が高い素材にしたので、安心して食事ができてうれしい。いつも通り生活できている」と大変お喜びいただきました。 今後も定期的に通院いただき、経過を観察します。 |
治療期間 | 8日 |
治療回数 | 2回 |
およその費用 | セラミックインレー(ジルコニア) 60,000円 |
治療のリスクについて | ・治療中に痛みを伴う場合があります ・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります ・セラミックの装着に際し、天然歯を削る必要があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です |
クリニックより | セラミック素材は複数あるため、当院では患者様のご希望や口腔状況を考慮して、適したセラミック材質を提案しています。 事前に治療材質をご納得いただいた上で治療を開始するので、安心して治療を受けていただくことが可能です。 詰め物でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。 |