2024.12.25
治療前
治療後
はじめのご相談内容 | 「抜歯した後そのままにしていた。抜いた歯の奥の歯が傾いてきているようで心配」とご相談いただきました。 |
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カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、左下の奥歯(第1大臼歯)が欠損していました。その影響で一番奥の歯(第2大臼歯)が手前に傾斜していて、欠損部分のスペースが狭くなっています。 歯がない状態が長期間続くと、周囲の歯が空いたスペースに向かって傾いてくるリスクがあります。このまま放置するとさらに奥歯の傾斜が進行し、欠損部分を補う治療が困難になる可能性があるため、早急に治療を開始する必要があると判断しました。 |
行った治療内容 | 欠損部分を補う治療法として、以下の2つを提案しました。 ①顎に人工歯根を埋め込み、その上に被せ物を装着する「インプラント治療」 外科手術が必要ですが、見た目が自然な仕上がりで、自分の歯のようにしっかりと噛むことができます。 ②両隣の歯を削り、連結して被せ物を装着する「ブリッジ治療」 取り外しの必要がなく安定感がありますが、支えとなる両隣の健康な歯を削る必要があります。 患者様は「両隣の歯を削るブリッジ治療は避けたい」との理由から、①のインプラント治療を選択されました。 患者様の場合は第2大臼歯が手前に傾いているため、インプラントを入れるスペースを確保する目的で僅かに奥歯を削る必要があることを説明しています。 また、インプラントが埋入できるスペースが限られていることから、シミュレーション通りに埋入するために、インプラント治療用マウスピース「ノーベルガイド」を使用したインプラント埋入手術「ガイデッドサージェリー」を行う治療計画を説明し、同意いただきました。 まず、CT検査にて骨の形態や血管、神経の位置を確認し、画像診断を基に口腔内データとマッチングさせてシミュレーションを行う「インプラントシミュレーションソフト」を用いてインプラント埋入位置を測定しました。 後日、患者様にシミュレーション結果と治療法、起こりうるリスクや副作用を説明しました。また、インプラントのシミュレーションを再現するためにノーベルガイドを作製しています。 インプラント埋入治療当日は、事前に歯のクリーニングと消毒を行い、部分的に麻痺をさせる「局所麻酔」を施しました。 そして、ノーベルガイドを使用しながら、歯肉の切開剥離を行わない治療法「フラップレス手術」にてノーベルバイオケア社製のインプラントを埋入しました。術後、CT撮影でインプラントが正しい位置に埋入されたことを確認し、患者様に報告しています。 インプラントを埋入してから3ヶ月間、インプラントと骨がしっかり結合するのを待ちました。その後、小型カメラでお口の中を撮影する「口腔内スキャナー」にてインプラントの位置関係を読み取り、最終的な被せ物「上部構造」を作製しました。上部構造の素材は、耐久性に優れている「ジルコニア」を選択しています。 作製した上部構造「ジルコニアクラウン」の適合や噛み合わせを確認した後、ネジによる固定「スクリューリテイン」を行い、治療を完了しました。 |
治療期間 | 約4ヶ月 (インプラント埋入後の待機に3ヶ月) |
おおよその費用 | 466,000円 ノーベルバイオケア社インプラント1本埋入、上部構造ジルコニアクラウン(CT検査シミュレーション費、インプラント埋入費、ノーベルガイド使用費、アバットメント費用、ジルコニア上部構造作製費用をすべて含む) |
治療のリスク | ・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います ・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎などにかかる可能性があります ・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があります ・高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります ・自費診療(保険適用外治療)です ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります |