2024.06.15
治療前
治療後
はじめのご相談内容 | 「10年以上前に治療した銀歯にフロスが引っかかって気になる。銀歯は虫歯の再発リスクが高いと聞き、心配なので詰め物を外して虫歯があるか確認してほしい。セラミックで治したい」とご相談いただきました。 |
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カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、右下の奥歯3本(第1小臼歯/4番、第2小臼歯/5番、第1大臼歯/6番)には、古い金属の詰め物「メタルインレー」が装着されていましたが、劣化して歯にぴったりフィットしておらず、隙間が生じていました。 詰め物と歯の間に隙間があると、そこに細菌の塊「プラーク」がたまりやすく、奥歯は特に磨きづらいため虫歯の再発リスクが高まります。 レントゲン写真でも隙間に虫歯の再発が疑われたため、詰め物を外して確認したところ虫歯がみつかり、虫歯の除去と詰め物のやり直しが必要でした。 |
行った治療内容 | 虫歯の再発を抑えるためには、プラークが付きにくく劣化しにくい材質「セラミック」での修復がおすすめです。 患者様もセラミック治療をご希望でしたが、「歯ぎしりや食いしばりの癖があるのでセラミックが割れないか気になる」と心配されていました。 お口の状況に合わせたセラミック素材を選択し、接着強度を高める前処理を丁寧に行ってから装着すると、セラミックが割れるリスクを軽減できます。 噛みしめる力が強くかかる第1大臼歯にはセラミックの中でも特に強度の高い「ジルコニア」、一方で口を開けた時に目立ちやすい歯2本(第1小臼歯、第2小臼歯)には自然な色味で他の歯と調和しやすいガラス系セラミック「e.max」をそれぞれ提案し、同意いただきました。 まず歯を削る前に痛みを感じにくくする麻酔を行い、取り残さないよう虫歯部分に色を付ける「カリエス検知液」を使いながら慎重に虫歯を除去したあと、詰め物を装着しやすい形に歯を整えました。 次に、冷たいものなど刺激で歯がしみる「知覚過敏」を抑えるために歯にコーティングをしてから、細かい部分まで正確に再現できる「シリコーン印象材」を用いて最終的な詰め物用に精密な型どりをしています。 約1週間後、完成した詰め物がぴったりフィットしているか、噛み合わせに問題がないかを確認したあと、詰め物がしっかり密着するように、詰め物と歯にそれぞれ以下の前処理を行って接着強度を高めてから装着しました。 ・詰め物:タンパク質の除去と接着面に細かいデコボコを形成する「エッチング処理」のあと、無水エタノールでの超音波洗浄 ・歯:タンパク質の除去・洗浄をしてから、歯の一番外側の歯質「エナメル質」にエッチング処理 後日ご来院いただいた際に噛み合わせを再チェックし、治療を終了しています。 |
治療期間 | 約1週間 |
おおよその費用 | 約180,000円 (e.maxインレー2本、ジルコニアインレー1本) |
治療のリスク | ・治療中に痛みを伴う場合があります ・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります ・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります ・装着に際し、天然歯を削る必要があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です |