2024.07.24
はじめのご相談内容 | 「前歯の見た目がコンプレックスなので何とかしたい。何年も前に前歯にプラスチックの被せ物や詰め物で治療したが、劣化しているのが気になる」とご相談いただきました。 |
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診断結果 | 拝見したところ、左上の前歯(中切歯/1番)に歯科用プラスチックの被せ物「レジンクラウン」が装着されているものの、経年劣化で色が不自然になり、汚れが付着して歯肉にも炎症が起きていました。
また、隣接する上の前歯3本(左右犬歯/3番、左側切歯/2番)に装着されている白い合成樹脂の材料「コンポジットレジン」の詰め物も劣化し、その境目から小さな虫歯が生じていました。 さらに右上の前歯(側切歯)は神経を失ってから長期間経過している「歯髄壊死」の状態で、歯自体の色が暗く変色し、見た目が損なわれています。 前歯は口を開けたときに目立ちやすく、患者様も見た目にコンプレックスを感じており、また虫歯や歯肉炎の進行も考えられるため、早急に治療を行う必要があると診断しました。 |
行った治療内容 | 診断内容を丁寧に説明したうえで、上前歯の治療として以下を提案し、同意いただきました。
①歯髄壊死している右上の前歯(側切歯)は、細菌感染した神経を取り除き、歯の内部を数回掃除して清潔にしてから薬を詰める「根管治療」を行う。その後、残せる健康な歯質が少ないため歯全体を覆う被せ物で修復する 見た目を改善するために、特に目立つ中央の前歯3本は、透明度が高く自然な色合いと強度を兼ね備え、虫歯にもなりにくい白い被せ物「オールセラミッククラウン」を採用しました。 まず右上の前歯(側切歯)の根管治療と、左右上の犬歯・左上の側切歯の計3本のコンポジットレジン修復を終えたあと、左上の前歯(中切歯)は古い被せ物を除去して形を整え、右上の前歯2本も形を整えます。 次に、噛み合わせなどに問題がないことが確認できたため、歯と歯肉の境目の溝「歯周ポケット」に糸を挿入して境界部を明瞭にする「二重圧排法」を行い、歯の形を細部までしっかり再現できる「シリコン印象材」で精密な型取りを行いました。 さらに、高性能の一眼レフカメラで周りの歯を撮影し、自然な色調を再現するために色味を確認しました。 後日、完成したe.maxのオールセラミッククラウンの適合を確認し、問題がなかったため接着性の高い「レジンセメント」で装着して治療を終了しました。 |
治療期間 | 約3ヶ月 (根管治療などの基礎治療も含む) |
およその費用 | 約468,000円 (e.maxオールセラミッククラウンレイヤリング法3本、仮歯、精密な型取りを含む) |
治療のリスクについて | ・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります ・治療中まれに器具の破折、被せ物や詰め物など修復物の損傷、歯の破折が起こる場合があります ・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります ・装着に際し、天然歯を削る必要があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります |