2024.10.03
はじめのご相談内容 | 「硬いアイスを噛んだら、右前歯の被せ物が折れてしまった。もともと前歯のセラミックが左右非対称だったため、この機会にきれいな被せ物で治したい」とご相談いただきました。 |
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診断結果 | 拝見したところ、右上前歯(側切歯)には自然な色合いと強度が特長の白い被せ物「セラミッククラウン」が装着されていましたが、被せ物は外れて歯根も折れており、歯根には虫歯が再発していました。 虫歯の範囲は広く、健全な歯根はほとんど残っていない状態です。 折れた歯根をこのまま放置すると、細菌感染が進行して周囲の歯や組織に悪影響を与えるおそれがあるため、早急に除去する必要があると診断しました。 また折れた歯と隣接している前歯も、過去に被せ物が脱落したことがあるそうで、見た目が左右非対称になっています。 |
行った治療内容 | セラミッククラウンが外れた右上前歯(側切歯)は温存が難しいため、今後のリスクを説明したうえで、抜歯が必要であることをお伝えしました。 抜歯後の治療方法として、人工歯根を骨に埋め込む「インプラント治療」と、欠損した歯を補うために両隣の歯を土台にする「ブリッジ治療」の2つを提案しました。 インプラント治療は、欠損部位のみを治療するため他の歯を削る必要はありませんが、自費診療なので費用が高く、外科手術を伴うことで治療期間も長くなります。 患者様の場合、隣接する前歯の審美性も損なわれていたことをふまえて、前歯2本を同時に自然な白さで再現できる被せ物「オールセラミックブリッジ」による治療を選択しました。 前歯が欠けたままでは日常生活に支障が出るため、早急にブリッジ形態の仮歯を準備して装着しました。 傷口が治癒したことを確認したら、ブリッジの支えとなる両隣の歯の形を整え、削った面には歯の神経に近い部位である「象牙質」を保護する薬液「コーティング剤」を塗布します。 約2週間後、強度の高い「ジルコニア」をフレームに使用し、その外側に透明度の高いセラミックを焼き付ける「ジルコニアレイヤリング法」でオールセラミックブリッジを作製しました。 ブリッジ:接着面に細かい凹凸を形成する「エッチング処理」を行い、エタノール液を用いた超音波洗浄 最後に、耐久性と接着力に優れた「レジンセメント」を使用してブリッジを装着し、治療を終了しています。 |
治療期間 | 約2ヶ月 (抜歯後の傷口の回復を待つ期間を含む) |
およその費用 | 468,000円 (オールセラミックブリッジ3本分) |
治療のリスクについて | ・装着に際し、天然歯を削る場合があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です ・外科処置後に腫れ、出血が生じる場合があります ・外科処置後に痛みが長引く場合があります。必要に応じ痛み止めを併用します |