50代男性 痛みが出ている奥歯を抜いたあとインプラントを埋入し歯を補った症例千代田線赤坂駅徒歩2分の歯医者|赤坂クレール歯科クリニック

そこで、銀歯を除去し再び根の治療を試みたものの、歯の根がすでに噛む力で半分に割れており、保存が困難な状態でした。

抜歯後に歯を補うには、以下の3つの方法があります。
①取り外し式の入れ歯
治療期間は比較的短く済みます。毎日の洗浄が必要なこと、取り外し式のため噛み心地が自分の歯よりも劣るといったことが欠点です。
②前後の歯を削って橋渡しのように歯を入れる「ブリッジ」
取り外しの手間がなく自然な噛み心地が期待できます。前後の歯に負担がかかり、将来的に歯の寿命を縮める可能性があります。
③人工の歯根をあご骨に埋めて歯を取り付ける「インプラント治療」
外科処置が必要ですが、抜歯部位を単独で治療できる方法です。他2つの方法よりも噛み心地が自然です。

それぞれのメリット・デメリットについてお伝えしたところ、患者様は「入れ歯は取り外しが煩わしく、しっかりと噛めない。またブリッジ治療は、前後の歯を削るので避けたい」との理由から、③のインプラント治療を選択されました。

治療に際してインプラント埋入位置を確認した結果、頬骨の裏側にある空洞「上顎洞」が近接しており、あご骨の厚みがほかの位置と比べてもともと少ないことが判明しました。
また、根尖性歯周炎による骨の減少も見られたため、骨を再生させる「骨造成」を行ったあと、インプラントを正確に埋めるための「ガイド」を作製し埋入手術を行う計画を立てています。

まず右上奥歯（第1大臼歯）の抜歯と同時に、抜歯部位に骨の再生を促す骨材を入れる骨造成処置「ソケットプリザベーション」を行いました。
その3ヶ月後、CT検査で骨の回復を確認し、インプラントシミュレーションソフトを用いてインプラント埋入位置を測定しています。
後日、患者様にシミュレーション結果と治療手順、想定されるリスク、副作用について説明しました。
そのうえで、インプラントをシミュレーション通りに埋入するためのガイドとして、インプラント治療用マウスピース「ノーベルガイド」を作製しています。

インプラント埋入治療の当日は、事前に歯のクリーニングと消毒、局所麻酔を行い、その後、ノーベルガイドを使用して埋入手術を実施しました。
手術方法は、歯ぐきを切開せずにインプラントを埋入できる「フラップレス手術」を選択し、患者様の負担を軽減しています。
手術後、CTおよびレントゲンでインプラントが正確に埋入されたことを確認し、その結果を患者様に報告しました。

インプラントを埋入してから4ヶ月、インプラントが骨に定着するのを待ちました。
その後、口腔内スキャナーでインプラントの位置関係を読み取り、インプラントの上に取り付ける最終的な人工歯「ジルコニアクラウン」を作製しています。

ジルコニアクラウンの適合や噛み合わせを確認したあと、インプラント本体と人工歯をつなぐ部品「アバットメント」を用いてしっかりと固定し、治療を終了しました。
なお、インプラントの固定方法は、取り外しが容易でメンテナンスがしやすいネジによる固定「スクリューリテイン」を採用しています。