50代女性 銀歯の下で再発した虫歯を取り除きe.maxとジルコニアの詰め物で修復した症例千代田線赤坂駅徒歩2分の歯医者|赤坂クレール歯科クリニック

パラジウムインレーは強度が高く脱落しにくいというメリットがあります。しかし、経年劣化で境界部がめくれ上がり、そこから虫歯が再発しやすくなることがあります。加えて、金属アレルギーを引き起こすリスクもあり、健康への影響も懸念されます。

以上のことから、見た目や健康面での不安を解消するため、パラジウムインレーの除去と新しい材質による再治療が必要であると診断しました。

CAD／CAMインレーは保険診療のため、ほかの2つと比べて費用を抑えることが可能です。しかし、劣化しやすく強度も低いことから、患者様は自由診療のセラミック系の材質を希望されました。
そこで、左下奥歯の前側2本はe.maxで修復し、さらに患者様の食いしばりの強さを考慮して、とくに噛む力がかかる奥側2本には、より強度のあるジルコニアを選択しています。

治療は、前側2本のe.maxと奥側2本のジルコニアに分けて、それぞれ2回行いました。
まず痛みを抑えるための麻酔を行い、パラジウムインレーを除去しました。その際、詰め物の下で虫歯の再発を確認したため、虫歯部分を染め出す薬液「う蝕検知液」を用いて丁寧に取り除いています。

次に歯の形を丁寧に整え、歯の神経に近い部位である「象牙質」を保護するコーティングを施したあと、細部まで正確に再現できる「シリコーン印象材」を用いて精密な型取りを行いました。

型取りから約1週間後、完成した詰め物が歯にぴったり合っているか、噛み合わせに問題がないかを確認したあと、しっかりと密着するよう以下の前処理を行っています。

詰め物：タンパク質の除去と接着面に細かい凹凸を形成する「エッチング処理」を施し、無水エタノールを用いた超音波洗浄
歯：タンパク質の除去と洗浄を行ったあと、歯の最外層である「エナメル質」にエッチング処理を行い、象牙質には表面に薄い膜を作る「ボンディング処理」
※エナメル質と象牙質は組織には違いがあるため、表面処理の方法も異なります

これらの前処理により接着強度を高めたあと、耐久性と接着力の高い「レジンセメント」を用いて詰め物を装着し、治療を終了しました。