2024.10.31
治療前
治療後
はじめのご相談内容 | 「右上奥歯にデンタルフロスが引っかかる。気になるので診察をしてほしい」とご相談いただきました。 |
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カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、右上の歯に装着されていた保険診療の白い詰め物「CAD/CAMインレー(ハイブリッドレジンインレー)」が一部破損し、破片が歯から浮き上がっている状態でした。 また、その下には虫歯の再発が認められます。 詰め物が破損したまま放置すると、食べ物が詰まりやすくなるだけでなく、虫歯が大きく広がって痛みが生じるリスクも高まるため、早急に虫歯治療を行い、破損した詰め物を修復する必要があると診断しました。 |
行った治療内容 | 患者様には、破損したCAD/CAMインレーを取り除いたあと、新しく作製する詰め物の素材として、以下の2つを提案しました。 ①前回と同じCAD/CAMインレー ②耐久性が高く劣化しにくい「e.maxインレー」 CAD/CAMインレーは保険診療のため費用は抑えられますが、再び破損するおそれがあります。 一方、e.maxインレーは自費診療となるため費用はかかりますが、白い陶材「セラミック」のなかでも高い強度と透明感が特長のガラス系セラミックのため、破損するリスクを減らすことが可能です。 患者様は、再び破損することが心配との理由から、e.maxインレーによる治療を希望されました。 まず、痛みを軽減するための麻酔を行って破損したCAD/CAMインレーを除去し、虫歯部分を染め出す薬液「う蝕検知液」を用いて、丁寧に虫歯を取り除きました。 次に、歯の形を整えて歯の神経に近い部位「象牙質」を保護するコーティングを施し、細部まで正確に再現できる「シリコーン印象材」を用いて精密な型取りを行います。 その後仮詰めを行い、初回の治療を終了しました。 約1週間後、完成した詰め物が歯にぴったり合っているか、噛み合わせに問題がないかなどを確認し、密着性を高めるために以下の処理を行いました。 詰め物:タンパク質を除去して隣接面に細かい凹凸を作る「エッチング処理」を施し、無水エタノールを用いた超音波洗浄 歯:タンパク質の除去と洗浄を行ったあと、歯の外側にある層「エナメル質」にエッチング処理を施し、象牙質には表面に薄い膜を作る「ボンディング処理」 ※エナメル質と象牙質は組織に違いがあるため、表面の処理方法も異なります。 これらの前処理で接着強度を高めたあと、耐久性と接着力の高い「レジンセメント」を用いて詰め物を装着し、治療を終了しました。 |
治療期間 | 約1週間 |
治療回数 | 2回 |
おおよその費用 | 60,000円 (e.maxインレー1本) |
治療のリスク | ・治療中に痛みを伴う場合があります ・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります ・装着に際し、天然歯を削る場合があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です |