2024.11.12
治療前
治療中
治療後
はじめのご相談内容 | 「昔から歯の縞模様が気になり、コンプレックスに感じる。また、虫歯治療の跡も目立つため見た目を整えたい」とご相談いただきました。 |
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カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、上の前歯4本に縞模様があり、また歯の表裏に詰めてある歯科用プラスチック「コンポジットレジン」が経年劣化により変色し、治療跡が目立っていました。 上の前歯は特に目につきやすいため、色味や形が周囲の歯と調和していないと目立ちやすく、コンプレックスを抱える方も少なくありません。また、コンポジットレジンを使用した部分は、時間の経過とともに変色するだけでなく歯との隙間ができやすく、そこから虫歯になるリスクがあります。 見た目を整え、虫歯リスクの低減を図るため、前歯4本の治療が必要と診断しました。 |
行った治療内容 | 患者様には以下の3つの治療方法を提案しました。 ①ホワイトニングで見た目を整え、コンポジットレジンを詰め直す方法 薬剤で歯を白くしてから、前回と同じコンポジットレジンを詰めて修復する方法です。 歯を削らずに済みますが、ホワイトニングだけでは縞模様が均一に整わない可能性が高く、新たに詰めたコンポジットレジンも経年劣化により変色や隙間が生じ、再び虫歯のリスクが高まる可能性があります。 ②歯の表面を覆う被せ物「ポーセレンラミネートベニア」で見た目を整える方法 歯の表面を薄く削り、自然な白さを再現できる陶材「セラミック」で作られた薄いカバーを装着して見た目を整える方法です。 歯を均一な白さに仕上げることが可能ですが、セラミックが薄いため割れやすい性質があります。また、歯の表側のみの処置のため、裏側のコンポジットレジンはそのまま残ります。 ③歯全体を覆う被せ物「オールセラミッククラウン」で見た目を整え、虫歯リスクも軽減する方法 自然な白さと透明感を持つセラミックの被せ物で、歯全体を覆うタイプの修復方法です。 耐久性が高い反面、被せ物を装着するために健康な部分の歯を多く削る必要がありますが、ポーセレンラミネートべニアより割れにくい利点があります。 治療内容を丁寧に説明したところ、「歯の裏側にあるコンポジットレジンも含めて治療したい」とのご希望から、③のオールセラミッククラウンでの治療を選択されました。 まず事前に型取りを行い、前歯4本分の仮歯を準備したあと、初回の治療で麻酔を施し前歯4本を丁寧に削って仮歯を装着しました。 これらの歯は神経が残っている「生活歯」のため、仮歯を装着して日常生活を送りながら痛みやしみる症状がないか確認する必要があります。 1週間日常生活を過ごしていただき、症状がないこと、仮歯の状態や噛み合わせに問題がないことを確認しました。 次に、被せ物の土台となる歯の形を整え、仮歯を土台に合わせて修正しました。型取りは、変形しにくく正確な形状を記憶できる「シリコーン印象材」を使用しています。 約2週間後、「ジルコニアレイヤリング法」でオールセラミッククラウンが完成しました。 ジルコニアレイヤリング法では、フレームに強度の高いセラミックである「ジルコニア」を使用し、その外側に透明度の異なるセラミックを焼き付けることで、耐久性が高く自然な見た目を持つ被せ物を作製できます。 完成したオールセラミッククラウンの色や形を患者様と一緒に確認しました。適合性や噛み合わせも問題がないことを確認し、被せ物が密着するよう以下の前処理を行っています。 ・オールセラミッククラウンの内面に微細な凹凸をつけ、接着力を高める「エッチング処理」を施したあと、エタノール液による超音波洗浄 ・装着する歯の面にもエッチング処理を施したあと、象牙質の表面に薄い膜を作る「ボンディング処理」 最後に、耐久性と接着力に優れた「レジンセメント」を使用してオールセラミッククラウンを装着し、治療を終了しています。 |
治療期間 | 約1ヶ月 |
治療回数 | 3回 |
おおよその費用 | 約624,000円 (前歯4本分のジルコニアレイヤリングオールセラミッククラウン、精密印象、仮歯を含む) |
治療のリスク | ・装着に際し、天然歯を削る場合があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です |