2024.12.04
治療前
治療後
はじめのご相談内容 | 「昔治療した銀歯の下に虫歯ができていないか心配。古い銀歯で見た目も気になるので取り替えたい」とご相談いただきました。 |
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カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、左下の奥歯4本に銀の詰め物「パラジウムインレー」が装着されており、周囲の歯と色味が異なるため目立っていました。 パラジウムインレーは強度が高くはずれにくい特徴がありますが、経年劣化により詰め物と歯の境目からはがれることがあり、虫歯が再発しやすい傾向にあります。 以上のことから、古い詰め物を除去して虫歯の有無を確認したのち、虫歯になりにくい材質での再治療が必要であると診断しました。 |
行った治療内容 | パラジウムインレーのメリット・デメリットを丁寧に説明したところ、患者様はお口を開けた際に見えやすい手前側2本の治療を希望されました。そこで銀の詰め物を取り除いたあと、劣化しにくく抗菌性にも優れた白い陶材「セラミック」で新たに詰め物を作製する方法を提案し、同意いただきました。 なお、今回はセラミックの中でも特に強度が高く、透明感のあるガラス系セラミック「e.maxインレー」を選択しています。 まず、痛みを抑えるために局所麻酔をし、左下奥歯2本の古い詰め物を取り除きました。その際、詰め物の下で虫歯の再発が認められたため、虫歯のみを染める薬液「う蝕検知液」を使用しながら丁寧に除去しました。 歯の形を整えたあと、削った部分がしみないよう歯の神経に近い組織「象牙質」を保護する「コーティング剤」を塗布しています。 次に、精度の高い詰め物を作製するため、細部まで再現でき変形しにくい「シリコーン印象材」で精密な型取りを行い、仮詰めをして初回の治療を終了しました。 約1週間後、完成したe.maxインレーが歯にぴったりと合っていることを確認し、噛み合わせを丁寧に調整してから、接着強度を高めるため以下の前処理を行いました。 詰め物:タンパク質を除去して接着面を加工する「エッチング処理」のあと、無水エタノールに浸した超音波洗浄 詰め物を装着する歯:歯の一番外側の層である「エナメル質」にエッチング処理を施し、象牙質に接着効果のある「ボンディング処理」 最後に接着力と耐久性のある「レジンセメント」を用いて詰め物を歯に装着し、噛み合わせにも問題がないことを確認して治療を終了しています。 |
治療期間 | 約1週間 |
治療回数 | 2回 |
おおよその費用 | 120,000円 (e.maxインレー2本 ) |
治療のリスク | ・治療中に痛みを伴う場合があります ・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります ・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります ・装着に際し、天然歯を傷つけることがあります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります |