2024.12.21
治療前
治療後
はじめのご相談内容 | 「噛みしめや食いしばりが強く、左上の奥歯が欠けてしまったので診てほしい」とご相談いただきました。 |
---|---|
カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、自然な白さを持つ「セラミック」製の詰め物「セラミックアンレー」が装着されている左上奥歯の一部が欠けていました。 セラミックアンレーは歯の一部分のみを覆うため、とくに噛み合わせの力が強い奥歯に使用する場合、詰め物やご自身の歯が欠けやすい傾向があります。 このまま放置すると、歯と欠けた詰め物の隙間から細菌が入り込み、内部で虫歯が再発する恐れがあるため、新しい被せ物で修復する治療が必要と診断しました。 |
行った治療内容 | セラミックアンレーを除去し、虫歯が再発していないかを確認したうえで、部分的な被せ物「セラミックオーバーレイ」で欠けた部分を補う治療を提案しました。 セラミックオーバーレイは噛み合わせの面のみを覆う被せ物です。セラミックアンレーよりも強度が高く、一般的な被せ物に比べて歯を削る量を抑えることができます。 今回、患者様の食いしばりが強いことを考慮し、歯や被せ物が再び欠けるのを防ぐため、セラミックの中でも強度の高い「ジルコニア」をおすすめし、同意いただきました。 まず麻酔を行い、左上奥歯のセラミックアンレーを取り除きました。 詰め物の下で虫歯が再発していたため、虫歯を染め出す「う蝕検知液」を用いて丁寧に除去しています。 次に被せ物を装着するため歯の形を整え、削った面がしみないように歯の内部組織「象牙質」を保護するコーティングを施しています。 その後、細部までしっかりと再現できる「シリコーン印象材」で精密な型どりを行い、仮詰めをして初回の治療を終了しました。 約1週間後、完成したジルコニアオーバーレイが歯にぴったりと合っているか、噛み合わせに問題がないかを確認したあと、接着強度を高めるため以下の前処理を行っています。 被せ物の接着面:接着面に特殊な薬液を塗布し加工する「エッチング(酸処理)」を行ったあと、清潔にするために消毒液「無水エタノール」に浸した超音波洗浄 被せ物を装着する歯:歯の表面組織「エナメル質」に対するエッチング(酸処理)と、象牙質の表面に薄い膜を作るために薬液を塗布する「ボンディング処理」 最後に、歯とジルコニアオーバーレイを劣化しにくく接着力にも優れた「レジンセメント」で接着し、治療を終了しました。 |
治療期間 | 約1週間 |
治療回数 | 2回 |
おおよその費用 | 90,000円 (ジルコニアオーバーレイ) |
治療のリスク | ・治療中に痛みを伴う場合があります ・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります ・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります ・セラミックの装着に際し、天然歯を削る必要があります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります |