2025.02.17
治療前
治療後
はじめのご相談内容 | 「歯ブラシやフロスをすると右上の歯ぐきから出血する」とご相談いただきました。 |
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カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、右上の第1小臼歯には金属の詰め物「パラジウムインレー」、第2小臼歯には金属のフレームに自然な白さの「セラミック」を焼き付けた被せ物「メタルボンドクラウン」が装着されていました。 いずれの修復物も金属部分が経年劣化しており、接触している歯ぐきが刺激を受けて炎症を起こし、赤く腫れたり出血したりする「歯肉炎」が発症していました。 また詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)と歯の境目には細菌が硬く石灰化した「歯石」も付着しており、歯肉炎を悪化させる要因となっています。 そのため、まずは歯肉炎を改善してから新しい詰め物・被せ物で修復する必要があると診断しました。 |
行った治療内容 | まずパラジウムインレーおよびメタルボンドクラウンを除去します。その後、歯石を除去する専門的なクリーニング「スケーリング」を施し歯肉炎を改善したうえで、新たな詰め物と被せ物を白い陶材「セラミック」で作製する治療計画を提案し、同意いただきました。 また金属を使用した詰め物・被せ物は経年劣化しやすく、歯との境目からはがれやすいため、虫歯の再発や歯肉炎のリスクが高まります。 そこで新しい詰め物や被せ物の材質には、劣化しにくく抗菌性・審美性に優れたガラス系セラミック「e.max」をおすすめし、こちらも了承いただきました。 まず麻酔をして、右上のパラジウムインレーとメタルボンドクラウンを除去しました。 内部に虫歯が再発していたため、虫歯の染め出し液「う蝕(うしょく)検知液」を用いて丁寧に取り除いています。 次にスケーリングで歯の周りに付着した歯石を除去し、仮歯を装着して初回の治療を終了しました。 1週間後、歯肉炎の改善が確認できたため詰め物や被せ物が装着できるよう歯の形を丁寧に整え、削ったことで露出した内部組織「象牙質」を保護するコーティングを施しました。 その後、細部までしっかりと再現できる「シリコーン印象材」で精密な型どりを行い、再度仮歯を装着して2回目の治療を終了しています。 2回目の治療から約1週間後、e.maxで作製した「e.maxインレー」と「e.maxクラウン」が歯にぴったりと合っているか、しっかりと噛めているかを確認したあと、接着強度を高めるために以下の前処理を行いました。 詰め物・被せ物:接着面に特殊な薬液を塗布し加工する「エッチング(酸処理)」を施し、清潔にするために消毒液「無水エタノール」に浸して超音波洗浄 詰め物・被せ物を装着する歯:歯の表面組織「エナメル質」にエッチング(酸処理)を施し、象牙質の表面には薄い膜を作るための薬液の塗布「ボンディング処理」 最後に、劣化しにくく接着力に優れた「レジンセメント」を用いてe.maxインレーとe.maxクラウンを装着しました。 さらにe.maxクラウンには天然歯のような見た目を再現するための「ステイン法」を施し、治療を終了しました。 |
治療期間 | 約2週間 |
治療回数 | 3回 |
おおよその費用 | 約205,000円 【内訳】 e.maxインレー 小臼歯e.maxクラウン(ステイン法、仮歯費用を含む) |
治療のリスク | ・治療中に痛みを伴う場合があります ・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、歯石の付着や虫歯が再発する場合があります ・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります ・セラミックの装着に際し、天然歯を削る必要があります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります |