2025.03.24
治療前
治療後
はじめのご相談内容 | 「かかりつけの歯科医院で噛み合わせを調整するため左下奥歯の銀歯を削ってもらったが、穴があいてしまった。歯をあまり削らない方法で治療したい」とご相談いただきました。 かかりつけの歯科医院では、土台となる自分の歯を削って被せ物で修復する方法を提案されたとのことです。 しかし患者様は、自身の歯を極力削らずに済む部分的な被せ物「オーバーレイ」による修復を希望され、当院を受診されました。 |
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カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、左下の奥歯に金属の詰め物「パラジウムアンレー」が装着されていましたが、噛み合わせの面が削られたことで穴があき、土台の歯が露出しています。 このまま放置すると、穴から細菌や食べかすが入り込みやすくなり、内部で虫歯が大きく広がる恐れがあります。 治療後の歯や修復物をなるべく長持ちさせるためにも歯を部分的に補う詰め物ではなく、耐久性のある被せ物で修復する必要があると診断しました。 |
行った治療内容 | 古いパラジウムアンレーを除去したあと、患者様のご希望に沿ったオーバーレイによる修復を提案し、同意いただきました。 オーバーレイは通常の被せ物とは異なり噛み合わせの面のみを覆うため、土台となる歯を削る量を抑えることが可能です。 また患者様は食いしばりや歯ぎしりが強いため、オーバーレイの種類は強度が高く割れにくい「ジルコニアオーバーレイ」が適しているとお伝えし、こちらも同意いただきました。 まず麻酔をして、左下奥歯の古いパラジウムアンレーを取り除きます。 内部で虫歯が再発していたため、虫歯の染め出し液「う蝕検知液」を用いて丁寧に除去しました。 次に被せ物を装着するため歯の形を整え、歯を削ったことにより露出した内部組織「象牙質」を保護するコーティングを施します。 その後、細部までしっかりと再現できる「シリコーン印象材」により精密な型どりを行い、仮詰めをして初回の治療を終了しました。 約1週間後、完成したジルコニアオーバーレイが歯にぴったりと合っているか、しっかりと噛めているかを確認してから、歯と被せ物の接着強度を高めるため以下の前処理を行いました。 被せ物の接着面:接着面に特殊な薬液を塗布し加工する「エッチング(酸処理)」を施し、清潔にするために消毒液「無水エタノール」に浸した超音波洗浄 被せ物を装着する歯:歯の表面組織「エナメル質」にエッチング(酸処理)と、象牙質の表面に薄い膜を作るための薬液の塗布「ボンディング処理」 最後に、劣化しにくく接着力にも優れた「レジンセメント」を用いてジルコニアオーバーレイを装着し、治療を終了しました。 |
治療期間 | 約1週間 |
治療回数 | 2回 |
おおよその費用 | ジルコニアオーバーレイ 100,000円 |
治療のリスク | ・治療中に痛みを伴う場合があります ・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります ・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります ・ジルコニアの装着に際し、天然歯を削る必要があります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、ジルコニアが割れる可能性があります |