2025.03.26
治療前
治療後
はじめのご相談内容 | 「右上の犬歯に装着されていたセラミッククラウンが割れてしまった。急いで新しい被せ物を作りたい」とご相談いただきました。 |
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カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、右上の犬歯には他院で治療した白色の被せ物が装着されていましたが、欠けて外れてしまっています。 また、目視では土台になっているご自身の歯に虫歯は認められませんでした。 患者様は歯ぎしりが強い自覚があるとのことだったため、歯ぎしりで被せ物に過剰な負担がかかり、欠けてしまったと考えられます。 このまま放置すると、食べ物が噛みにくくなるうえ審美性にも悪影響があるため、早急に新しい被せ物を作製して修復する必要があると診断しました。 |
行った治療内容 | 患者様には以下の治療方針をお伝えし、同意いただきました。 ・当日のうちに新しい被せ物を作製するための型取りを行い、持参いただいた欠けた被せ物を仮歯として利用する ・強い歯ぎしりに耐えられるよう、被せ物の土台となるフレーム部分は強度に優れた「ジルコニア」で作製する ・周囲の歯と色調を合わせるために、色を重ねて微妙な色合いを表現できる「レイヤリング法」で新しい被せ物「ジルコニアレイヤリングクラウン」を作製する まずは、痛みを抑えるための麻酔を行います。続いて、右上犬歯の虫歯の有無を確認するために虫歯を染め出す「う蝕検知液」を用いて詳しく検査をしたところ、虫歯は認められませんでした。 次に歯の形を整え、削った面がしみないように歯の内部組織「象牙質」を保護するコーティングを施します。 その後、細部までしっかりと再現できる「シリコーン印象材」を使って精密な型取りを行い、持参いただいた古い被せ物を仮歯として接着し、初回の治療を終了しました。 約1週間後に来院いただき、完成したジルコニアレイヤリングクラウンが歯にぴったりと合っているか、噛み合わせに問題がないかを確認します。 その後、歯と被せ物の接着強度を高めるため、以下の前処理を行いました。 被せ物の接着面:接着面に特殊な薬液を塗布し加工する「エッチング(酸処理)」を施し、無水エタノールに浸した超音波洗浄 被せ物を装着する歯:象牙質の表面に、セメントを接着しやすくする薄い膜を作るため薬液を塗布する「ボンディング処理」 最後に、耐久性と接着力の高い「レジンセメント」を用いてジルコニアレイヤリングクラウンを装着し、治療を終了しています。 |
治療期間 | 約2週間 |
治療回数 | 2回 |
おおよその費用 | 151,000円 (ジルコニアレイヤリングクラウン、レイヤリング法、精密印象費用) |
治療のリスク | ・装着に際し、天然歯を削る場合があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です |