2025.04.25
治療前
治療後
はじめのご相談内容 | 「右上の奥歯に20年ほど前から銀歯が入っており中が虫歯になっていないか不安。見た目も気になるため、再治療を検討している」とご相談いただきました。 |
---|---|
カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、右上奥歯に保険診療のパラジウムアンレー(銀歯)が装着されていました。アンレーは、噛む面を覆うように広範囲を修復する詰め物です。 その銀歯が経年劣化しており周囲の歯も暗く透けているため、虫歯が再発している可能性がありました。 保険診療で使用される金属の詰め物は、時間の経過とともに歯と詰め物の境目が合わなくなることがあり、その隙間から細菌が入り込むことで虫歯が再発するリスクがあります。 以上のことから、虫歯の再発の有無を確認し、アンレーをやり直す必要があると診断しました。 |
行った治療内容 | まずは虫歯が再発していないか確認すること、もし虫歯が再発していれば虫歯を除去し、新たにアンレー治療を行うことをお伝えし、同意いただきました。 アンレー治療を行うにあたり、アンレーの材質には以下を提案しています。 ①セラミック(e.maxもしくはジルコニア) メリット:天然歯のような見た目を再現でき、劣化しにくいため虫歯の再発リスクが低い。汚れがつきにくく抗菌性がある デメリット:保険適応外のため費用が高額になる ②強化型プラスチック(CAD/CAM) メリット:保険診療のため費用を抑えることができる。白色の詰め物で修復することができる デメリット:強度に欠けるため虫歯の再発リスクがある ③銀歯(パラジウム) メリット:保険診療のため費用を抑えることができる デメリット:経年劣化するため虫歯の再発リスクがある 患者様は、虫歯になりにくい素材がよいとの理由から、セラミックアンレーを希望されました。 また、奥歯は噛む力が強くかかる部位のため、今回はセラミックの中でも耐久性に優れたジルコニアが適していることもお伝えし、同意いただきました。 まず、麻酔をして右上奥歯のパラジウムアンレーを除去します。やはり虫歯が再発していたため、う蝕検知を使用しながら丁寧に虫歯を除去しました。 次に、歯の形を整え、削った面がしみないよう歯の内部組織「象牙質」を保護するコーティングを行います。 その後、細部までしっかりと再現できる「シリコーン印象材」を使って精密な型を取り、仮詰めをして初回の治療を終了しました。 約1週間後にジルコニアで作製したセラミックアンレーが歯にぴったりと合っているか、噛み合わせに問題がないかを確認してから、歯と被せ物の接着強度を高めるため以下の前処理を行いました。 被せ物の接着面:接着面に特殊な薬液を塗布し加工するエッチング(酸処理)を施し、無水エタノールに浸し超音波洗浄 被せ物を装着する歯:歯の表面組織エナメル質にエッチングと、象牙質の表面にセメントを接着しやすくする薄い膜を作るため薬液を塗布するボンディング処理 その後、耐久性と接着力の高いレジンセメントを用いてセラミックアンレーを装着し、治療を終了しました。 |
治療期間 | 約1週間 |
治療回数 | 2回 |
おおよその費用 | 80,000円 |
治療のリスク | ・治療中に痛みを伴う場合があります ・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります ・装着に際し、天然歯を削る場合があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外治療)です |