東京赤坂の歯医者さん、赤坂クレール歯科クリニックです。
今回のテーマは「歯周病の痛みと症状」です。
歯周病は日本人の成人の7割がかかっているともいわれており、虫歯以上に深刻な状況にあります。
そんな歯周病ですが、実際には歯周病の症状について詳しい方は少なく、
「若ければ歯周病にならない」と考えてむしろ興味を持たない方も少なくありません。
そこでここでは歯周病をテーマとして、症状、そして誰もが気になる痛みの有無について説明していきます。
歯周病には虫歯のようなズキズキとした痛みはありません。
進行度や症状によって痛みを感じる場面はあるものの、虫歯の痛みに比べれば辛さはなく、
そんな痛みのなさこそ歯周病が軽視される要因になっています。
確かに、痛みがないのは確かに身体の負担が小さくなりますが、同時に身体の異状に気付けなくなります。
痛みがあるからこそ異状に気付くわけで、歯が痛むからこそ虫歯に気付きます。
一方歯周病にはそういった痛みはなく、いつの間にか起こっていつの間にか進行するケースが多いのです。
…では、歯周病になることで起こる症状とその理由を以下で説明していきます。
初期段階の歯周病で見られる症状です。
歯周病になると歯肉が炎症を起こし、その影響で歯肉がプヨプヨと腫れて変色した状態になります。
そうなるとささいな刺激で歯肉から出血しやすくなります。
ちなみに、実際に出血しやすい場面としては食事や歯磨きをしている時です。
つまり、食事や歯磨きの際に歯肉から出血することがあれば、その時は歯周病を疑ってみるべきです。
初期段階の歯周病で見られる症状です。歯周病になるとお口の中で原因菌が繁殖し、
細菌にまみれた状態になります。そして、その影響で口臭がするようになるのです。
またあからさまな口臭ではなく、使用したデンタルフロスから嫌な臭いがする時も歯周病の可能性があります。
口臭にも様々な原因が考えられますが、寝起き直後の口臭は歯周病を疑うべきでしょう。
中期段階以降の歯周病で見られる症状です。
もちろん実際に歯が長くなっているわけではなく、歯が長くなったように見えるだけです。
その理由ですが、歯周病がある程度進行すると顎の骨である歯槽骨を溶かしてしまいます。
そして、歯槽骨が溶かされることで歯肉が退縮し、その結果歯肉が下がってしまうのです。
歯肉が下がると歯の根元が露出しますから、歯自体が長くなったように見えるわけです。
つまり実際には「歯が長くなる」ではなく、「歯の根元が露出する」というのが正確な表現です。
中期段階以降の歯周病で見られる症状で、この症状は一見虫歯の症状に似ています。
実は歯周病でも冷たいものや熱いものがしみることがありますが、
それは上記で説明した「歯が長くなって見える」の影響で起こる問題です。
歯の根元はエナメル質で覆われておらず、刺激に対して非常に敏感です。
本来歯の根元は歯肉に埋まっていることで刺激を感じませんが、
それが露出することで刺激を敏感に感じ、冷たさや熱さでしみてしまうのです。
歯周病になると顎の骨である歯槽骨が溶かされますが、この歯槽骨は歯を支える役割を持っています。
つまり、歯槽骨が溶かされることは歯が支えを失うことになり、その影響で歯がグラついてしまうのです。
「歯周病になると歯が抜ける」といわれているのは、それが理由になっています。
歯周病が進行するほど歯槽骨はどんどん溶かされていきますから、
やがて歯は完全に支えを失ってしまい、抜け落ちてしまうのです。
また、あまりに重度の歯周病だと治療不可で抜歯せざるを得なくなるケースもあります。
いかがでしたか?
最後に、歯周病の痛みと症状についてまとめます。
1. 歯周病の痛み :痛みはないが、その分歯周病であることに自覚しにくく、気付いた時には進行している
2. 歯肉から出血しやすくなる :歯肉が炎症を起こして腫れてしまい、食事や歯磨きの時に出血しやすい
3. 口臭がする :歯周病菌が繁殖することで口臭がするようになる
4. 歯が長くなって見える :歯肉が退縮して下がり、歯の根元が露出して歯が長くなったように見える
5. 冷たいものや熱いものがしみる :露出した歯の根元はエナメル質に覆われておらず、刺激に敏感なため
6. 歯がグラつく・抜ける :歯を支える歯槽骨が溶かされるため、歯がグラついてやがて抜け落ちてしまう
これら6つのことから、歯周病の痛みと症状についてまとめます。
歯周病は歯が抜けるという点から高齢の方だけになるイメージを持つが多いのですが、
実際には若くても歯周病にはなります。
初期段階の歯肉炎なら小学生でもなることがありますし、歯周病の低年齢化も問題になっています。
このため「痛みがない」という理由で歯周病を軽視せず、
自分の歯を守るためにも歯周病は徹底予防しましょう。