東京赤坂の歯医者さん、赤坂クレール歯科クリニックです。
今回のテーマは「ホワイトニングの痛みについて」です。
患者さんにとって、歯科医院での治療で最も気になるのは痛みの有無でしょう。
確かに、歯を削る、歯を抜く、歯を動かすなどの治療方法からは痛みを連想するでしょうが、薬剤を塗るだけの審美治療であるホワイトニングには痛みがあるのでしょうか。
また、痛みがあるとすればそれはどの程度の痛みなのでしょうか。
目次
ホワイトニングの場合、患者さんによって痛む人もいれば痛まない人もいます。
実際、ホワイトニングした人の感想を調べると、痛んだという意見もあれば全く痛まなかったという意見が見つかると思います。
ではなぜ痛む人と痛まない人がいるのか?…それはホワイトニングの痛みは知覚過敏によるものだからです。
知覚過敏は誰にでも起こる症状ですが、歯の状態によっては起こらないため、知覚過敏が起こった人は痛みを感じ、知覚過敏が起こらなかった人は痛みを感じないのです。
そもそも知覚過敏とは何か?…症状としては歯が一瞬ピシッとしみる、もしくは痛むことです。
本来歯の象牙質は刺激に敏感で、少し触れただけや冷たさや風を感じただけで刺激となって痛みます。
それでも普段歯が痛まないのは、歯の表面のエナメル質が象牙質を刺激から保護しているためです。
しかし、何らかの理由でエナメル質が損傷していると象牙質が直接刺激を受けてしまい、刺激を受けた瞬間に痛みを感じます。ホワイトニングの薬剤も象牙質にとって刺激となるため、エナメル質が損傷している人がホワイトニングすると知覚過敏によって痛みを感じます。
ホワイトニングによる知覚過敏は一過性のため、時間の経過でおさまります。
しかし痛みやしみが気になるようなら、次の方法で対処できます。
歯磨き時に使う歯磨き粉を、知覚過敏用のものにしましょう。
知覚過敏用の歯磨き粉はドラッグストアで購入でき、それを使って歯磨きすれば症状がおさまっていきます。
鎮痛剤は知覚過敏の痛みにも効果があります。
ただし痛み止めには即効性がないため、効果が出るまでには少し時間がかかります。
冷たいものを飲食すれば、冷たさが刺激となってさらに知覚過敏が起こります。
最も、ホワイトニング後の飲食については担当の歯科医からも注意があるでしょう。
知覚過敏はエナメル質が損傷していることで起こります。
また、何らかの理由でエナメル質が失われている場合も起こり、その原因として次のことが考えられます。
虫歯の穴が象牙質まで到達している場合、患部はエナメル質が失われて象牙質が直接刺激を受ける状態になっています。
歯周病の進行で歯肉退縮が起こると、歯肉の高さが下がって歯根が露出します。
露出した歯根には元々エナメル質がないため、刺激を受けることで知覚過敏が起こります。
強くゴシゴシと歯を磨くと、摩擦によってエナメルが傷ついて損傷します。
正しい歯の磨き方は、歯科医院の定期検診や予防歯科のブラッシング指導で覚えることができます。
いわゆる事故によるエナメル質の破損です。
また、歯が割れていたりヒビが入っていたりした場合もエナメル質が破損しています。
例えば歯ぎしりや食いしばりの癖があると、摩擦によってエナメル質が傷つきます。
こうした日常の癖の中には、噛み合わせや歯並びを悪くさせてしまうものもあります。
ホワイトニングは審美治療ですが、患者さんの状態によってできないこともあります。
次のことに該当する人はホワイトニングをおすすめできません。
虫歯や歯周病がある人でもホワイトニングできますが、先にこれらの治療を優先することになります。
重度の知覚過敏の人は基本的にホワイトニングをおすすめできません。
薬剤の胎児への影響が不明のため、安全性を考えてホワイトニングできるのは授乳を終えてからになります。
若い人は歯が成長途中であり、この段階だと薬剤が歯へのダメージになってしまうからです。
いかがでしたか?
最後に、ホワイトニングの痛みについてまとめます。
1. ホワイトニングの痛みの有無 :痛む人と痛まない人がいて、痛む人は知覚過敏が原因
2. 知覚過敏とは :象牙質が直接刺激を受けることで一瞬歯がピシッとしみる、もしくは痛む症状
3. 知覚過敏の対処 :知覚過敏用の歯磨き粉を使う、痛み止めを飲む、冷たいものの飲食を避ける
4. 知覚過敏の原因 :虫歯、歯周病、歯の磨き方が間違っている、歯をぶつけた、日常の癖
5. ホワイトニングできない人 :虫歯や歯周病がある、重度の知覚過敏、妊娠している、18歳未満
これら4つのことから、ホワイトニングの痛みについて分かります。
ホワイトニングの痛みは知覚過敏によるもので、時間の経過によっておさまります。
このためそれほど深刻に考えなくても良いのですが、痛みが一向におさまらない場合は他の原因が考えられるため、その際は担当の歯科医に相談してください。