セラミックの歯は見た目が自然で美しく、変色もしにくいことから審美歯科治療の中でも人気の高い素材です。しかし、どんなに優れた素材でも「欠ける」「割れる」といったトラブルが起こることがあります。この記事では、セラミックの歯が欠ける原因や対処法、長持ちさせるための正しいメンテナンス方法について詳しく解説します。
目次
セラミックは天然の歯に近い透明感と質感を持ち、耐久性も高い素材です。しかし「金属」や「ジルコニア」と比較すると強い衝撃に弱いという特徴があります。セラミック歯が欠ける主な原因は以下の通りです。
硬いもの(氷、ナッツ、骨など)を無意識に噛んだり、就寝中の強い食いしばりや歯ぎしりによって、セラミックに強い負荷がかかると、欠けたりヒビが入ることがあります。
噛み合わせが悪い状態で長期間過ごしていると、一部の歯に負担が集中し、結果的にセラミック歯がダメージを受けやすくなります。
セラミックの被せ物(クラウンやインレー)は、精密な型取りと調整を行って装着されますが、わずかなズレや適合不良があると、咬合時の圧力が偏り、破損の原因となる場合があります。
セラミック自体は劣化しにくい素材ですが、接着剤や歯との境目からの微細なズレ、咬合変化により経年による破損リスクもゼロではありません。
セラミックが欠けた際には、まず口腔内のケガや痛みがないかを確認してください。小さな欠けであっても、鋭利な部分が舌や頬の粘膜を傷つけることがあります。
欠け方やセラミックの種類によって、修理方法が異なります。
セラミック治療を長持ちさせるには、日常的なセルフケアだけでなく、歯科医院での定期的なメンテナンスが欠かせません。
1. 正しい歯磨き
セラミックの被せ物はむし歯にはなりませんが、周囲の歯や歯茎は天然歯なので、歯周病や二次カリエスのリスクがあります。やわらかめの歯ブラシで、毎日丁寧に磨きましょう。
2. フロス・歯間ブラシの活用
被せ物の周辺や、歯と歯の間は磨き残しが多くなる部位です。フロスや歯間ブラシを使ってプラークコントロールを行うことが大切です。
3. 噛むものへの配慮
氷や飴など、硬いものを噛むのは避けましょう。また、ピーナッツやせんべいなども、片側ばかりで噛む癖があると破損の原因になるため注意が必要です。
1. 噛み合わせのチェック
治療直後には問題がなくても、年月の経過とともに噛み合わせが変化することがあります。早期発見により再破損を防止できます。
2. 歯石除去・クリーニング
セラミックの表面はツルツルしていますが、歯垢や歯石は付着します。歯周病予防のためにも、定期的なクリーニングが推奨されます。
3. レントゲンや精密検査
見えない部分にトラブルがないか、土台の状態や歯根の状態をチェックすることで、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
セラミックは美しく機能的な歯科材料ですが、「絶対に欠けない」というわけではありません。噛み合わせの問題や過度な力がかかることで破損することがあります。万が一欠けた場合は、早めに歯科医院へ相談することで、修復可能なケースも多いです。
また、トラブルを防ぐためには、日々の丁寧なセルフケアと定期的なメンテナンスが重要です。歯を健康に保ち、美しい状態を長く維持するために、ぜひ歯科医院と連携してケアを続けていきましょう。