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30代女性 虫歯が進行し抜歯が危ぶまれた奥歯を「歯冠長延長術」と「ジルコニアクラウン」で修復し歯の温存を可能にした症例千代田線赤坂駅徒歩2分の歯医者|赤坂クレール歯科クリニック

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30代女性 虫歯が進行し抜歯が危ぶまれた奥歯を「歯冠長延長術」と「ジルコニアクラウン」で修復し歯の温存を可能にした症例

2024.06.20

治療前

治療中

赤いラインが、顎の骨を削った位置です。

治療後


はじめのご相談内容 「左下奥歯の銀歯が外れてしまったので診てほしい」とご相談いただきました。
診断結果 拝見したところ、左下奥歯(第2大臼歯/7番)の銀歯が外れており、内部では虫歯が再発していました。虫歯の原因は、銀歯と歯の境目から細菌が入り込んだことによるものと考えられます。

銀歯が装着されていた歯は、治療をする際に神経を取り除く処置を行っており、患者様が痛みを感じることはありません。そのため、気付かないうちに虫歯が歯ぐきの下にまで広がっていました。
さらに詳しく調べるためにレントゲン撮影を行った結果、虫歯は顎の骨近くまで達していることが判明しました。

被せ物を装着する際は、原則としてご自身の歯が歯ぐきの上に数ミリ出ている必要があります。
しかし、今回のように虫歯が歯ぐきの下や顎の骨近くまで及んでいる場合、ご自身の歯の高さが足りず再度被せ物を作製し装着しても、治療後に顎の骨や歯ぐきに炎症が起こるリスクがあります。

以上のことを踏まえ、残念ながら歯の温存が難しいことをお伝えしたところ、患者様は「抜歯をせずに歯を残したい」と希望されました。

行った治療内容 歯を温存する方法として、虫歯に近接した顎の骨を数ミリ削り、被せ物を装着するために必要な歯の高さを確保する外科治療「歯冠長延長術(クラウンレングスニング)」を提案し、了承いただきました。

また、治療後に起こりやすい歯ぐきの炎症をできるだけ回避するために、被せ物の材質は汚れが付着しにくい「セラミック」が適していることを説明し、こちらも了承いただきました。セラミックの種類は、強度があり見た目も自然な「ジルコニア」を選択しています。

まず、左下奥歯の虫歯を薬液で染め出しながら取り残しがないようしっかりと除去し、削った部分をプラスチック樹脂の材料で補強します。
後日、来院いただき、歯冠長延長術を実施し部分的な麻酔をしたあと、虫歯を削った部分の周囲にある歯ぐきの切開を行い、顎の骨を必要な量だけ慎重に削り歯ぐきを元の状態に縫合しました。

術後3週間経過して歯ぐきの治癒が確認できたことから、被せ物を作製するための精密な型取りを行っています。型取りには、細部までしっかりと再現できて変形しにくい「シリコーン印象材」を使用しました。

翌週、完成したセラミックの被せ物を装着して、治療を終了しています。

治療期間 約1ヶ月
およその費用 約163,000円
【内訳】
歯冠長延長術(クラウンレングスニング)
ジルコニアクラウン
治療のリスクについて ・持病をお持ちの方や、服用中のお薬の種類によっては、外科処置ができない場合があります
・外科処置後に腫れ、出血が生じる場合があります
・外科処置後に痛みが長引く場合があります。必要に応じ痛み止めを併用します
・外科処置後のメンテナンスを怠ると、良好な結果が得られない可能性があります
・ジルコニアの装着に際し、天然歯を削る必要があります
・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、ジルコニアが割れる可能性があります
クリニックより 歯ぐきよりも深い位置まで虫歯が広がってしまうと、歯科治療ガイドライン上は、歯の温存が不可能となってしまう場合があります。これは、被せ物などの人工物が顎の骨に接近することで、歯ぐきや顎の骨に拒絶反応が起きてしまうためです。
可能な限り歯を抜かずに温存する手法として、本症例のような歯冠長延長術という外科手術が用いられます。
外科治療と聞くと不安になる方もいらっしゃいますが、術後それほど強い痛みが出ずに経過することも多いので、歯を残すための手段として当院では積極的に取り入れています。
抜歯をしなければならないと宣告された場合でも温存できるケースがありますので、お気軽にご相談ください。
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