2024.10.19
はじめのご相談内容 | 「右上の奥歯を他院で抜いた。安全な方法でインプラントを入れたい」とご相談いただきました。 |
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診断結果 | お話を伺ったところ、約6ヶ月前に他院で右上奥歯(第1大臼歯)を抜かれたとのことでした。抜歯時の傷は治癒しており、骨も十分に回復しています。
このまま抜歯部分を放置すると、周囲の歯が移動したり噛み合っている下の歯が過剰に伸びたりすることで、全体の歯並びや噛み合わせに問題が生じるおそれがあります。 以上のことから、抜歯部分を補って噛み合わせを整える治療が必要だと診断しました。 |
行った治療内容 | 患者様は、抜歯した部分の顎の骨に人工歯根を埋め込んで噛み合わせを回復させる「インプラント治療」を希望されています。より安全に治療を行いたいとの考えから、インプラント治療用マウスピース「ノーベルガイド」を使用したインプラント手術を行っている当院に、セカンドオピニオン目的で来院されました。
ノーベルガイドは、インプラントの適切な埋入位置や角度、深さを記録し、シミュレーション通りに手術を行うためのガイド装置です。この装置により、安全でより正確な手術が可能になります。 ただ、患者様の場合、インプラント治療を行うために必要な骨の高さはあったものの、抜歯部位が頬骨の裏側にある空洞「上顎洞」に近接しているため、慎重に治療計画を立てる必要がありました。 以上のことから、安全性と正確性を考慮したうえで、ご希望どおりノーベルガイドを使用したインプラント治療が適していることを丁寧に説明し、了承いただきました。 まず、CT検査で骨の形状や上顎洞との位置関係をしっかりと確認し、インプラントシミュレーションソフトでインプラントの埋入位置を測定します。 インプラントの埋入治療当日は、事前に歯のクリーニングと消毒、局所麻酔を行い、ノーベルガイドを使用して埋入手術を実施しました。 手術後にCTとレントゲン撮影を行い、インプラントが正確な位置に埋入されたことを確認して、その結果を患者様に報告しました。 インプラントを埋入してから4ヶ月後、インプラントが骨にしっかり定着したことが確認できたため、自然な白さがある素材「ジルコニア」を用いて最終的な被せ物を作製しました。 完成した被せ物のフィット具合や噛み合わせを確認したあと、インプラント本体と被せ物をつなぐ部品「アバットメント」を用いてしっかりと固定し、治療を終了しました。 |
治療期間 | 約5ヶ月 (インプラント埋入後の待機期間4ヶ月を含む) |
およその費用 | 466,000円 (CT検査シミュレーション、インプラント埋入、ノーベルガイド、アバットメント、ジルコニアの被せ物をすべて含む) |
治療のリスクについて | ・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います ・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎などにかかる可能性があります ・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があります ・高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・自費診療(保険適用外治療)です |