20代女性 小学生の頃に折れて変色した前歯の審美性をセラミック治療で回復した症例千代田線赤坂駅徒歩2分の歯医者|赤坂クレール歯科クリニック
2025.03.28
治療前
治療中
治療後
| はじめのご相談内容 | 「10年以上前、小学生の頃に前歯をぶつけて歯が割れてしまった。当時、歯の神経を取った後に欠けた部分をプラスチックで修復してもらったが、歯が黒ずんできて見た目が気になる。約2ヶ月後の結婚式までに見た目を綺麗にしたい」とご相談いただきました。 |
|---|---|
| カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、右上前歯は歯の神経を取る「抜髄（ばつずい）処置」と神経を取り除いた後の管をきれいに清掃する「根管治療」が施されており、その影響で歯全体が黒く変色しています。 また、歯の先端が3分の1ほど欠けており、白いプラスチック樹脂の「コンポジットレジン」で修復（CR充填）していました。 修復したコンポジットレジンと自身の歯の色に差があり、笑った時の見た目が損なわれています。 神経を取った歯は、時間が経つと歯の根の先端に炎症が起きて膿の袋が形成され、再度の根管治療が必要となることがありますが、CT検査を行ったところ、それらは確認できませんでした。 以上のことから、右上前歯の見た目を改善する治療が必要と診断しました。 |
| 行った治療内容 | 今回は歯の根の周りに炎症がなく、また結婚式までの期間も短いため、再度の根管治療は行わずに被せ物による治療で見た目を改善する方法が適しています。 そこで、古いコンポジットレジンを外してから美しい白さのセラミックの被せ物「オールセラミッククラウン」を装着する治療方法を提案し、同意いただきました。 また、歯全体の黒い変色をできるだけ目立たなくするため、遮光性が高くご自身の歯の色が透けにくい「ジルコニアフレーム」を使用し、その上に自然な色調のセラミックを焼き付ける「レイヤリングテクニック」を用いて、周囲の歯と調和したセラミッククラウンを作製する方針をお伝えしました。 治療1回目：右上前歯のコンポジットレジンを外し、ご自身の歯を一回り小さく削ってから仮歯を装着しました。 歯を削る段階で、歯と歯ぐきの境目の溝「歯周ポケット」に治療用の糸を挿入し、一時的に歯ぐきを押し広げる「歯肉圧排（しにくあっぱい）」を行いながら施術を進めます。これは、被せ物と歯の境界線「マージン」が歯周ポケットに隠れるように設計するための処置です。マージンが歯周ポケットに隠れることで、土台となる歯の変色が目立ちにくくなり、より自然な仕上がりが期待できます。 治療2回目：患者様に10日ほど仮歯で過ごしていただき、歯の形や噛み合わせに問題がないことを確認しました。その後、被せ物を製作するため以下の処置を行いました。 まず、歯周ポケット内に治療用の糸を2本入れて一時的に歯ぐきを大きく押し広げる「二重歯肉圧排」という処置を施しました。これにより、歯をどこまで削ったかを明確にすることができます。 次に、歯の精密な型取りを行います。この際、細部までしっかりと再現できる「シリコーン印象材」を使用しました。 最後に、被せ物の色調を再現するための資料として、高性能の一眼レフカメラにて周りの歯の色調データを記録しました。 治療3回目：2週間後、完成した「ジルコニアレイヤリングクラウン」を仮装着しました。色調の調和を確認したところ、周囲の歯よりも若干暗いことが判明したため、この日は接着せず再度色調の調整を行います。 治療4回目：1週間後、色調調整を施したジルコニアレイヤリングクラウンを再び仮装着します。周囲の歯の色に馴染んでいること、さらに噛み合わせやフィット感にも問題がないことを確認しました。その後、劣化しにくく接着力にも優れた「レジンセメント」を使用して接着し、治療を終了しています。 接着に際しては、以下の手順で被せ物の装着を行いました。 まず、接着強度を高めるため、被せ物の接着面に特殊な薬液を塗布して加工する「エッチング（酸処理）」を施します。 次に、被せ物を清潔に保つため、消毒液「無水エタノール」に浸して超音波洗浄を行いました。 また、被せ物を装着する歯に対しても接着性を高める処理を行います。歯を削った際に露出する内部組織「象牙質」の表面に薄い膜を作るための薬液塗布「ボンディング処理」を実施しました。これにより、レジンセメントがよりしっかりと歯にくっつくようになります。 |
| 治療期間 | 約1ヶ月 |
| 治療回数 | 4回 |
| おおよその費用 | 156,000円 前歯部ジルコニアレイヤリングクラウン（仮歯費用、精密印象費用を含む） |
| 治療のリスク | ・装着に際し、天然歯を削る必要があります ・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります ・一部の治療を除き、自費診療（保険適用外治療）です |
