2026.04.07
治療前
治療中
治療後
| はじめのご相談内容 | 「前歯の差し歯が折れてしまったので診てほしい」とご相談いただきました。 お話を伺ったところ、その歯は約20年前に治療を受けたもので、以前から歯の根の先に膿の袋があると指摘されていたそうです。 また、今後の治療としてインプラントも検討しているとのことでした。 |
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| カウンセリング・診断結果 | 拝見したところ、右上の前歯(中切歯)の差し歯が外れて歯根の一部だけが残っている状態でした。 レントゲン検査を行った結果、歯根の先に膿がたまる根尖病巣(こんせんびょうそう)が確認できました。 根尖病巣は大きくなると歯を残すことが困難になる場合があり、状態によっては抜歯が必要です。 今回のケースでは、根尖病巣があることに加え残っている歯の量がごくわずかであったため、再び被せ物で歯を修復することは難しく、抜歯が必要と診断しました。 |
| 行った治療内容 | 診断内容を丁寧に説明したうえで、抜歯後に歯を補う方法として以下3つの治療法をお伝えしました。 ①インプラント治療 あごの骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する方法 メリット:周囲の歯を削る必要がなく、単独で歯を補うことができる デメリット:外科処置が必要で、治療期間が比較的長くなる ②ブリッジ治療 両隣の歯を削り、橋をかけるような被せ物で歯を補う方法 メリット:外科処置が不要なため比較的短期間で治療できる デメリット:健康な両隣の歯を削る必要がある ③取り外し式の入れ歯治療 メリット: 歯を大きく削る必要がなく、比較的短期間で治療できる デメリット:取り外しが必要で、噛み心地や見た目の自然さはほか2つの方法と比べて劣る場合がある それぞれのメリット・デメリットを説明したところ、患者様は「自分の歯のように噛めて、周囲の歯を削らずに済むこと」を理由に、①のインプラント治療を希望されました。 また、今回の治療部位はあごの骨がやや薄くなっている場所であり、抜歯後に骨がさらに減少する可能性も考えられました。 そこで、抜歯と同時にインプラントを埋め込む抜歯即時埋入インプラントであれば骨の減少を抑えられる可能性があることをお伝えし、同意いただいています。 治療前にはCT撮影を行い、インプラントを埋める位置や角度をシミュレーションしました。 そのデータをもとに、インプラントを計画通りの位置に埋め込むためのマウスピース型補助装置「サージカルガイド」を作製しています。 手術当日は右上前歯の残っている歯を抜歯し、その直後にサージカルガイドを用いて計画した位置へインプラントを埋入しました。 抜歯した部分とインプラントの間には隙間ができるため、骨の再生を促す材料である骨補填材を入れて補強しています。 インプラントと骨がしっかり結合するまでの期間、見た目に配慮して両隣の歯に接着するタイプの仮歯を装着しました。 約4ヶ月後、インプラントが安定していることを確認したうえでインプラントの上に新しい仮歯を装着し、数週間使用していただきながら噛み合わせや形を細かく確認しています。 その後、仮歯の形を参考に最終的な被せ物を作製しました。 被せ物には、強度の高いセラミック素材であるジルコニアを使用しています。 さらに表面にセラミックを重ねるレイヤリングという技法を用いることで、自然な色合いに仕上げました。 後日、完成した被せ物をネジで固定するスクリュー固定方式でインプラントに装着し、治療を終了しました。 |
| 治療期間 | 約6ヶ月 |
| おおよその費用 | 650,000円 <内訳> CT検査、インプラント手術(ノーベルバイオケア社製ノーベルアクティブ)、即時埋入治療、サージカルガイド作製、骨補填材料、仮歯作製、セラミックの被せ物(ジルコニアレイヤリング法) |
| 治療のリスク | ・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います ・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎等にかかる可能性があります ・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があります ・高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります ・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります |