東京赤坂の歯医者さん、赤坂クレール歯科クリニックです。
今回のテーマは「保険診療によるセラミック治療」です。
銀歯の被せ物は費用が安い反面、審美性が低くて目立ってしまいます。
一方、セラミックにすれば審美性が高まりますが、自由診療になるため費用は高くなってしまいます。
「審美性が高くて費用も安い」というのが患者さんの理想だと思いますが、
そんな理想を叶える方法として保険診療によるセラミック治療を提案します。
目次
まず、セラミックが基本的に自由診療になる理由について解説します。
健康保険は全ての医療行為に適用されるわけではなく、健康目的であることが必須です。
例えば、これらはいずれも医療行為になりますが、その目的は審美であり、病気を治すためではありません。
そのため、これらの治療には健康保険が適用されず、自由診療になるのです。
ちなみに、歯科の治療においてはホワイトニングや歯列矯正がこれに該当します。
では、セラミックの場合はどうでしょうか。
セラミックは被せ物として使用しますし、被せ物は虫歯治療などで歯が溶かされた際、
絶対に必要な処置になるため、健康目的の治療に含まれます。
その点では、セラミックは健康保険適用の基準を満たしているのですが、
健康保険適用の基準は「健康を目的とした必要最低限の治療」と定められています。
しかし、セラミックの場合は審美性の高さを備えているため、必要最低限以上の価値があるのです。
つまり、「健康目的の治療」という基準は満たしていても、
「必要最低限の治療」という基準は満たしておらず、そのため自由診療として扱われているのです。
上記で、「セラミック治療は基本的に自由診療になる」と表現したとおり、例外もあります。
2014年の健康保険改定により、現状セラミック治療において健康保険が適用されるようになりました。
ただ「例外」といったとおり、セラミック治療で健康保険を適用する場合はいくつか基準が定められています。
セラミック治療で健康保険を適用する場合、以下の基準を満たした歯科医院で治療を受けなければなりません。
いずれの基準も患者さんが独自で判断することは不可能なため、直接歯科医院に確認する必要があります。
さらに、患者さんにも基準が定められています。
患者さんに定められた基準は歯の箇所であり、
基本的に、これらの箇所の歯をセラミックにする場合しか健康保険は適用されません。
例外として、金属アレルギーの人は以下の箇所の歯も健康保険適用の対象となります。
ただし、金属アレルギーであることを証明する検査・診断の結果、もしくは医師の紹介状などが必要です。
自由診療のセラミック治療では、好きな箇所の歯を好きなセラミックの素材にできますが、
保険診療でセラミック治療を行う場合は次の制限が定められています。
人工物には詰め物と被せ物がありますが、保険診療のセラミック治療は被せ物に限定されています。
そのため、例え金属アレルギーの人だとしても、保険診療で詰め物をセラミックにすることはできません。
従来のセラミック治療では、オールセラミックをはじめとした4種類のタイプのセラミックを選択できます。
しかし、保険診療のセラミック治療では、選択できるセラミックはハイブリッドに限られます。
保険診療のハイブリッドセラミックと、自由診療のハイブリッドセラミックはイコールではありません。
保険診療のハイブリッドセラミックは、自由診療のものに比べて審美性・耐久性で劣ります。
いかがでしたか?
最後に、保険診療によるセラミック治療についてまとめます。
1. セラミックに健康保険が適用されない理由 :「必要最低限の治療」という基準を満たしていないため
2. セラミック治療に健康保険適用される場合 :歯科医院側と患者側の双方が基準を満たしているとき
3. 保険診療のセラミック治療の制限 :治療対象となる歯の箇所や、素材において制限が定められている
これらのことから、保険診療によるセラミック治療について分かります。
いくつかの基準が定められているので少々複雑に感じますが、
現状セラミック治療において健康保険を適用することが可能です。
被せ物を使用している人は、保険診療のセラミックも選択肢の一つとして覚えておくといいでしょう。
費用を抑えることが可能です。